夜歩きたい!六本木のおすすめ散策路

このエントリーをはてなブックマークに追加 あとで読む

六本木で飲んだお酒

いつもの安い近所居酒屋で酒を飲んでいると、友人が首をもたげてやってきた。
「どうしたの?」と聞いてみると、友人が重たい口を開いて話し始めた。
30歳、無職、失業保険をもらいながらハローワークに通う彼は、どこでどう繋がったのか、恵比寿の会社に勤めている女性と飲みに行くことになったという。
かっこいい大人の自分を演じたかったのだろう、「いつも行く六本木の店にでも行こうか?」と彼女を連れて行った。
当然、彼は六本木に飲みに行ったことなどない。
行くと言えば、ビールケースをテーブルにして朝方まで酔っぱらいの親父やバンドマンが絶えない、高円寺の高架下の居酒屋のみ。
そんな彼は、とりあえず、芸能人達もひしめくセレブな街、六本木に行けば、お洒落なBARくらいたくさんあるに違いないし、すぐに見つけられるだろうと考えて、彼女との飲みの日を迎えた。
しかし、初めて訪れる夜の六本木は彼にとって予想以上の高級っぷりだったらしく、何が何か分からずBARがどれなのかも分からなかったらしい。
焦りを隠しつつ、いつも来ているそぶりを見せていると、偶然、ガラス張りで外から見てもここはBARです!と言わんばかりの店を見つけた。
「ここに入ろう、いいんだよ、この店」と店の中に案内しようとした。
メニューも、酒の値段も書いておらず、バーテンダーが異様に酒を語って進めてくる店だったらしいが、彼女からも「値段も書いてないし、さすが六本木のBARって感じですね」と言われて彼は有頂天になっていた。
楽しい時間も過ぎ、いざお会計をしようとした時だった。
「三万〜になります」「…え?」彼に冷や汗が出始めた。
彼女と合わせても一人二杯しか飲んでいない。
なぜだ、いくら六本木にしてもこれはキャバクラ並みではないか…。
しかし、彼女の手前、彼は平然となんとか財布に入っていた三万を取り出し支払いをした。
そして帰り際、彼女に「私、彼が帰ってこいとうるさいので、今日はありがとうございます」と帰っていったそうだ。
後日、そのBARをネットで調べたところ、そこは有名なぼったくりの店だということが分かったそうだ。
首をもたげてビールを飲む彼には可哀そうな話だったが、いくらお洒落な六本木でもお店はちゃんと調べて人を誘って行こう、そう私は胸に誓った。
そしてメニューも料金も書いていない店は、お金のない私達にはご注意、ということも。